


近藤 譲(作曲家)
Jo KONDO, Composer
1947年10月28日東京生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。1977~78年ロックフェラー3世財団より奨学金を得て、ニューヨークに滞在。1979年カナダ・カウンシルの招きでブリティッシュ・コロンビア州ヴィクトリア大学において客員講師を務める。1986年ブリティッシュ・カウンシル・シニアー・フェローとしてロンドンに滞在。1987年アメリカのコネティカット州ハートフォードのハート音楽大学コンポーザー・イン・レジデンス。同年及び2000年イギリス・ダーティントン国際サマースクールで講師を、2015年米国ロチェスター大学イーストマン音楽院において特別客員教授を務めた。これまでに、ハーヴァード大学、エディンバラ大学、ハンブルク音楽大学を始めとして、欧米の多くの大学で自作についての講演を行っている。国内においては、エリザベト音楽大学教授、お茶の水女子大学・同大学院教授として長年教鞭をとり、現在、昭和音楽大学教授、お茶の水女子大学名誉教授。1980年現代音楽アンサンブル「ムジカ・プラクティカ」を結成、1991年の解散まで音楽監督を務めた。
国内外の優れた演奏家や演奏団体、音楽機関から委嘱を受け、独奏曲から室内楽、管弦楽、声楽曲、オペラ、そして電子音楽作品まで広範にわたる作品を約160曲作曲。ほとんどの作品が英国のヨーク大学出版から、そして一部の作品がニューヨークのピータース社から出版され、日本、欧米において頻繁に演奏されている。また、ALM、フォンテック、ドイツ・グラモフォン、HatHut(スイス)、Wergo(ドイツ)等のレーベルから多くの作品の録音がリリースされている。
アイブス・アンサンブル(オランダ)、Nieuwアンサンブル(オランダ)、ロンドン・シンフォニエッタ(英国)、バーミンガム・コンテンポラリー・ミュージック・グループ(英国)、アンサンブル・ノマド(日本)、オリヴァー・ナッセン、ポール・ズコフスキー、井上郷子など優れた演奏家たちが、近藤作品を好んで繰り返し演奏している他、「アルメイダ国際音楽祭(英国)」「フィレンツェの5月」「ハダースフィールド国際音楽祭(英国)」を始めとして多くの国際音楽祭において特集が組まれている。2004年にはサントリー芸術財団主催によってオーケストラ作品個展が開催された。2017年、近藤の70歳を祝って「近藤譲七十歳の径路」と題する室内楽作品個展が有志によって開催された。
作曲と美学に関する著作活動も活発に行っており、主要著作に、『線の音楽』『音楽の種子』『耳の思考』『<音楽>という謎』『音を投げる-作曲思想の射程』『聴く人』『ものがたり西洋音楽史』などがある。翻訳においても、J.ケージ著『音楽の零度』、D.ヒューズ著『ヨーロッパ音楽の歴史』(共訳)、M.E.ボンズ著『「聴くこと」の革命-ベートーヴェン時代の耳は「交響曲」をどう聴いたか』(共訳)等の著作がある。
作曲、著作活動以外にも、日本音楽コンクール作曲部門、ガウデアムス国際作曲コンクール、国際現代作曲家協会国際音楽祭作曲部門、芥川作曲賞、ハダースフィールド国際作曲コンクール、日本現代音楽協会作曲新人賞等の作曲コンクールの審査委員や、柴田南雄音楽評論賞審査委員、京都賞音楽部門選考委員などを務めた他、NHK・FM放送の現代音楽番組の選曲・解説を35年以上にわたって担当している。
1991年尾高賞(オーケストラ作品「林にて」)、2005年中島健蔵音楽賞を受賞。2012年アメリカ芸術・文学アカデミー(American Academy of Arts and Letters)外国人名誉会員(終身)に選出された。2018年3月、平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞(音楽部門)を受賞。著書『ものがたり西洋音楽史』(岩波書店 2019年出版)で2020年第74回毎日出版文化賞特別賞受賞。日本現代音楽協会理事長。
出版社:
University of York Music Press LTD.
www.uymp.co.uk